Lalka

馬鹿たちの行進のLalkaのレビュー・感想・評価

馬鹿たちの行進(1975年製作の映画)
3.5
韓国では『誤発弾』『下女』と並ぶ評価のある作品。70年代、朴正煕の軍事独裁政権下の閉塞した空気を若者を通して現出させ風刺したものだと思われる。

現実感を持たせる意図だろう主演を含む学生の配役がすべて現役の大学生で「新人」(大学名もクレジットされている)。大枠は2組の男女の恋愛で構成されているが、日常的な挿話がほとんど。レポートの評価を上げてくれと頼みに行ったり、金か信頼かと新聞売りに高額紙幣を渡してみたり、夜間外出禁止令、学生の一気飲み大会、左の頬を殴って(聖書だろう。マタイ5章39節)などだ。つまり、ネタの一つひとつを理解できないと厳しくなってしまう。なのでそんなに楽しめない。例えば外出禁止令なんて今の今まで知らなかった。

厳しい検閲があったそうでその箇所というのがBlu-rayに特典収録されている。それは、ラストの部分などもありわかりやすい。また、本作の続編がハ・ギルチョンの遺作に当たり、シリーズとして他の監督が続編を撮っているらしい。
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