主人公を演じている青年と、そのお父さまであられる監督の二人きりで作られた不思議なホラー作品、だが嫌いじゃない
いつものように小型ボートで釣りに出た青年が沖で発見した一艇のボート、声をかけても人気のないことを不思議に思った青年がボートに乗り込んでみると、まるで意思があるかのように動き出し…というストーリー
登場人物はひとりですし、閉じ込められたり海に突き落とされそうになったりロープが首に巻き付いて死にそうになったりするものの、お化け幽霊もののけの類に襲われるわけでもなくまあ地味です
なんとも説明のできぬ事態に右往左往したり二進も三進もいかなくなったりしたあげく1からやり直しをさせられる様はまるで狐に化かされたかのようですが、主に前半のトイレの小窓から帆を操る姿などサバイバルスリラーとしても見どころがありました
舞台となるボートの名前が「アイオロス号」というようですし、ギリシャ神話に明るい方なら別の受け取り方があるかもしれませんね
あっと驚くような捻りがきいているオチが待っているわけでもありませんが、なんとなく嫌いになれない不思議な作品でした