雪吹雪

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームの雪吹雪のネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ミステリオとの闘い後、彼によるフェイク動画が拡散されたことで世界中に正体が明かされてしまったピーター。身近な人々にも被害が及ぶ現状を何とかするべく、ストレンジの力を借り皆の記憶の消去を試みるも、失敗。一時的に別次元との扉が開いたことでマルチバースからスパイダーマンを狙うヴィランたちが押し寄せる。

ネタバレ必須な展開は一旦置いておいて。スパイダーマンは剽軽であけすけなキャラ造形とは裏腹に「一番大切なものは守れない」という宿命をどの媒体でも背負っている悲しいヒーロー。偶発的に大いなる力を手に入れてしまった少年はその力の代償を必ず払わされ、正体を明かせない事情と相まって独り苦悩するハメになる。このシリーズの様に初めから理解者が沢山いるスパイダーマンは珍しい。だからこそ少年から大人への成長が一貫してテーマになっていた3部作だった。

トム・ホランド主演のスパイダーマンはどうしてもアベンジャーズありきなヒーローだったけど、誰からも忘れられひとりになったことで漸く1人前のヒーローになれた。そんな寂し気なラストシーンが美しい。
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