このレビューはネタバレを含みます
ゲーム版同様ホラーとしても、社会派作品としても質が高くヒットしたのは納得。とにかく白色デモの時代を忘れるな、目を背けるなという主張が際立っている(ここを飲み込めなかった人は、かなり情報が足りずに観たと思われる)。
密告者であった主人公が自責の念から死を選ぶという表現から読み取れる、密告者に対する眼差しは手厳しいものがあった。
ホラーとヒューマンドラマが中途半端である、という意見もあるが本来それらは互いに絡み合いながら一つのドロドロした事実が形成されるもので、この映画はそれら両側面を誠実に描いたに過ぎない。
白色テロの時代と少女の恋というヒューマンドラマが、煉獄のような学校というホラーの舞台を形作ったのだ。ここには必然的な繋がりがある。どちらかを疎かにせず鮮やかに描き切った今作品はその点で優れている。