あかつか

返校 言葉が消えた日のあかつかのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
4.5
1962年、国民党による戒厳令下の台湾の学校が舞台。読みたい本も読めない、聴きたい音楽も聴けない、描きたい絵も描けない、そんな時代が舞台。憲兵の目をかいくぐって発禁本を密かに読む秘密サークルの様子から物語が始まるので、とても『クーリンチェ』な匂いがしてワクワクなのだが、そこからまさかの学校の怪談へ方向転換。この展開の落差、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を思い出したよ。原作は有名なホラーゲームらしい。

見た目は学校の怪談ではあるんだが、物語を左右するのが「戒厳令下の密告」なので、単なる学校の怪談とはいえない作り。密告する者、人を利用する者。『1984』のようなシーンもあり、自由のための不断の努力!というメッセージが160km/hのストレートで伝わってくる。

しかしまぁ、ご近所の国のことなのにこういう歴史まったく知らんよな。You Tubeのゆっくり解説みた程度で知ったような気になってるヤツ多いし。
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