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プリズン・サークルのrosechocolatのレビュー・感想・評価

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
4.0
全国の受刑者のうちのたった40人しか受けられない更生プログラム。全ての受刑者が受けられる対象ではないが、この試みが可能な限り多くの受刑者に課されるようにしたらどうだろうか。再入所率が著しく低いというデータもある。

幼少の頃から不遇な環境に置かれていた受刑者たち。社会的に守られない、満たされない、認められない連鎖の繰り返しの中で培われた彼らの思考回路を修正していくことから始めない限り、出所しても自己肯定感が高くなることはなく再犯へと流れていく。諦めの境地から人を更生することの始まりとして対話をすること、そこから己の話をすることによって自己の人生を振り返る。

加害者と被害者の立場を認識し、罪を犯した自身を見つめ直す機会がある受刑者はどのくらいいるだろうか。何が原因かを探らなければ、更生の組み立てようもない。普通に語っている彼らはとても罪を犯した人とは思えないほどの穏やかさを持っている。きちんとした更生を受刑中から行うことの必要性を思う。
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