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リチャード・ジュエルのIdeonのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.5
リチャード・ジュエルは少し頑固な性格だが、法執行官を目指す善良な青年だった。アトランタオリンピックで警備の仕事についたリチャードは、放送クルーが控えているタワー付近に怪しげなリュックが置かれているのに気づいた。爆発物ということが判明し、観客たちを大急ぎで逃がそうとしていたところで爆発が起こった。リチャードのおかげで被害は最小限にとどまった。ヒーローとして脚光を浴びるリチャード。ところが犯人検挙に躍起になるFBIが容疑者としてターゲットにしていたのはリチャードその人だった…というお話。
クリント・イーストウッド監督はこれまで数々の実録物をものしてきたが、感動的な話をエモーショナルな音楽を被せたりして、ことさら盛り上げるようなことをしないのが特徴だと思う。起こったことを淡々と丁寧に描く。声高に主張しなくても、監督の想いがジワリと伝わってくる。この作品も過剰な演出は極力排してあるが、リチャードと彼を無条件に信じて支える弁護士のワトソンの人間性が、見る者を静かに感動させる。
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