しゅんまつもと

リチャード・ジュエルのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.8
流石のイーストウッド、良質なヒューマンドラマに思わせながら実のところかなり狡猾で意地の悪い映画だなあと思わされた。しかしそんな描き方をしなければならない2020年の現代だということも事実。

おそらく意図的に排除したであろう一般市民の目線。これは明らかにスクリーンのこちら側にボールを投げかけられている。映画を見ている我々はリチャードがやっていないことを前提として見ているから彼のことを信じられる。しかし、そうじゃなかったらどうなんだ?とイーストウッドに釘を刺されるかのよう。
テロリストの疑惑をかけられる男にポールウォルターハウザーをキャスティングしたということにも明確な意図を感じる。キャスターの女性の振れ幅と変わり身の速さとか、笑ってしまうくらい意地が悪いけど多分こういう人っている。

しかし、年が明けてパラサイト、ロングショット、そしてリチャード・ジュエルとジャンルは違えど傑作が次々公開されてく中で政府の人とかメディアの人とかってこういう映画って見ないんですかね。見てたら何を思うんだだろう。