えちぜん

リチャード・ジュエルのえちぜんのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.5
例えば、ふと目を離した隙に我が子が行方不明になってしまった親が、世間やマスコミから「実はお前じゃねーの?」と疑われてしまう。また、いじめ問題があれば、加害者より学校や教師の管理を槍玉にあげてしまう。

人間やメディアはなぜ安易に「とりあえず目に見えているもの」へ責任を結論づけたがるのか?リチャード・ジュエルはそんな人間の愚かさと恐ろしさの最たる事件ですね。

一見して愚鈍な印象のリチャード・ジュエルだが、最後のスピーチは実に正論で魂のこもった内容であり、人間の尊厳を思い出させるものだった。

ところでこのアトランタ爆破事件は約25年前のことであり、リチャード・ジュエルも今は既にこの世にいないが、もし彼が存命の間に映画化されていたとしたら。リチャード・ジュエルやその母はどう捉えたか?(映画化を許したか?)メディアはどう取り上げたか?…もうわからないことですが、それが本作がもつ真の意味でしょうね(^_^)
えちぜん

えちぜん