このレビューはネタバレを含みます
50トンもの大麻栽培を誰にも気づかれず遂行する伝説のドラッグディーラー引退に際して策謀を巡らす男たちの群像劇。(貴族の資産管理、ストリートギャングが交差する)とてもガイ・リッチーな内容で楽しい。
ヒュー・グラントがギャングたちにゆすりをかけるタブロイド紙記者を演じており、彼が映画の脚本を説明する体で物語が進行するその構成も良かった(ブリティッシュな英語を終始浴びるように聞けて耳にも嬉しい)
マリファナvsヘロインという構図において、マリファナ側トップがマシューマコノヒーであるというキャスティングの説得力も素晴らしい。「メディア王」ですっかりハマってしまったジェレミー・ストロングがユダヤ系アメリカ人の富豪を別人のように演じていて、それも個人的には見所だった。4本指を示すジャージ姿のコリンファレルもハマり役。
また、直接映画とは関係ないことだが、ラストで全体の絵を描いていたのがロシア人ギャングであることが発覚するあたり、ウクライナ侵攻以降、ロシア人を悪役として登場させるその方法論も変わらざるを得ないのでは?とも感じた。