緑

走れロムの緑のネタバレレビュー・内容・結末

走れロム(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

貧民窟のようなアパートに暮らす孤児と闇くじの話。

こんなにたくさんの人が出てくるのに
知性を感じる人間が3人しかいない!
ひとりは医者、
ひとりはロムにごはんをあげる人、
ひとりはビリヤードでフックを嵌める人。
あとは全員占いや人頼みで一攫千金を狙う人たちばかり。
アパート丸ごとギャンブル依存。
どうなってんだ、ベトナム。

スクリーンに映る場所は基本的にどこもごちゃごちゃしている。
だからか序盤の夕陽を逆光に洗濯物とロムが映る場面、
ロムとフックが河を渡る場面が格別エモく感じられた。

ロムとフックの関係性がおもしろい。
お互いに相手を出し抜こうとする割に、
仲の良さを感じられるところもある。
両者ともアクションが激しい。
特にフックの身体能力の高さ!
いろんなものを避けたり跳んだりしながら
走るフックはとても鮮やか。

アパートが燃えるシーンは
本当に火を点けたのだろうか?
最近はああいうのはCGだったりするからわからない。
どちらにしても迫力あった。
放火前の停電でアパート住民たちが
暴徒と化すことに震撼。
貧しくとも清くなんて綺麗事でしかない。

ロムが親に「待ってろ」と言われた壁が何度か出てくる。
そこが映るときのカメラワークがおもしろい。
編集はタイトで疾走感あり。
しかし検閲の影響かところどころ繋がりが悪い。
オリジナルバージョンの公開まだー?

ロムと幼い頃のロムが
地続き感しかない配役だったのが高ポイント。
ロムの歯並びが悪いのもリアリティあった。
緑