1945年、終戦直後のレニングラード。
PTSDを抱える元女性兵士の二人の物語。
傷痍軍人たちが入院する病院の看護婦イーヤはイヴァノヴィチ医師の助手的に働いている。
ひょろっと背が高く”Beanpole（のっぽ ※原題）”と呼ばれていて、脳振盪後症候群のため戦線を離脱し、その後遺症で突然意識喪失状態になってしまう。
イーヤは戦友である女性マーシャの息子パーシュカを預かっていたが、ある日、床でじゃれ合っているうちに意識喪失になってしまい、パーシュカを圧死させてしまう。。
そんな時、マーシャが戦地から帰還。息子の死を知るが、戦地での体験がそうさせるのか動揺も激昂もせず静かに受け止める。
だが、その償いのためある事をマーシャに受け入れさせる。
突然意識喪失となるイーヤと、突然鼻血を出すマーシャ。
戦地と病院、それぞれでの辛い体験と後遺症。
二人の複雑なセクシュアリティも垣間見える。
全身麻痺になってしまった患者ステパンとその妻。
イーヤの上司の医師イヴァノヴィチ。
マーシャに本気になるボンボンの男サーシャ及びその両親。
とのエピソード。
特にステパンのエピソードには胸が痛みます。
イーヤとマーシャ、二人の元女性兵士の運命・複雑な心理状況を演じたヴィクトリア・ミロシニチェンコとヴァシリサ・ペレリギナ。
二人の衣装の緑と赤の変化。その二色が融合し一体となるラストの素晴らしさ。
カンヌ国際映画祭: ある視点部門 監督賞&FIPRESCI（国際映画批評家連盟）賞
