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戦争と女の顔のmiyoyoのレビュー・感想・評価

戦争と女の顔(2019年製作の映画)
4.2
原作スヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチ「戦争は女の顔をしていない」は胸を突き刺すような女性兵士の証言が淡々と綴られている。
この映画はその中でも戦後の彼女たちに焦点をあてた作品である。
戦争が終わったからと言ってすぐさま平和が訪れるわけではない。肉体と心の傷は何年も何十年も疼き、さらに女性は結婚できない、子供を産めないといった差別にもさらされる。

マーシャがBFの両親の前で語った体験は自身を守るため、そうせざるを得なかった、彼女のようにしたたかになれない女性はおそらく生き残れなかったのだろう。

戦友のイーヤに子供を産んでもらうという考え、イーヤにも負い目がありそれを承諾してしまう、この2人の女性が深い心の闇から逃れることができる日は来るのだろうか?

どんな理由があろうとも絶対戦争はしてはいけない、ということを心に留めるためにも、たいへん息苦しい映画ではあるが多くの人に観てほしい。
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