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聖なる犯罪者のHKのレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
3.8
“聖なる犯罪者”というべきか、
“罪深き聖職者”というべきか・・・

原題は“Boze Cialo”(読めない・・・) ポーランドのカトリックの祝日のことで、カトリック教会が御聖体(聖体拝領)の実践を記念する日なんだとか。

3年前公開のポーランド映画です。
実話ベースだそうですが、観終わってどこまでが実話だったのか気になります。
司祭に憧れる少年院仮出所の主人公は、ある田舎町で司祭代理と間違われたのをいいことに資格がないのに司祭に成りすましますが、意外や住民の受けはよく、しかし・・・

いつ正体がバレるかのヒヤヒヤ感は最近の作品で思い出すのは『ペルシャン・レッスン』、他に成りすまし映画で思い出すのは『太陽がいっぱい』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ディア・ドクター』などなど。
しかし成りすましが自分だけでなく人のためにもなるのなら悪いことなのか・・・
逆に名ばかりの有資格者もいろんな分野にいそうですし。

かくいう私もある国家資格を持ってますが、実は全くのペーパーですからもはや“成りすまし”と同じなのかもしれません。
資格さえ持っていれば知識や素養が足りなくてもいいのか・・・
これは私の“後ろめたさ”。

無宗教の私には聖職者の資格云々もわかりませんが、本作を観て頭に浮かんだのが、奇しくも本作の直前に観た『イコライザー THE FINAL』で主人公に向けられた問、
「あなたは善人か悪人か?」
実はそこが一番大事なところかもしれません。重要な資格であればあるほど。
医者や警官、そして政治家なんかも善人じゃないとやっちゃいけない気がしますが・・・
難しい問題なんでしょうか、途中から変わっちゃう人もいますからね。

主人公と仲良くなる女の子はちょっと若き日のキルスティン・ダンスト似。
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