モスマンは実在する

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

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最後にダム上空にタイトルが出たあと、ヤバい色が溢れてきた後にフィルムが焼け落ちるようなエフェクトがかかってくるあたり、ブチ上がった。個人的には「最後の誘惑」の終わり方がたまらなく好きなので、彼方の世界との繋がりを描写する話の終わり方として最高。

 全体を通して、最初から一家がだいぶイってるのがあまり良くないのではないかとも思われた。日常的にバケモノの話とかをしたりするし、これ見よがしにネクロノミコンを読む場面があったりもする。
 個人的には、日常生活が異形の存在脅かされるのが見たかったので、本当に平凡な一家の正気が削られて行って欲しかった。この違いは、例えば怪獣映画において、その作品世界のなかで怪獣という概念があるかないかの差に似ている。「シン・ゴジラ」は未知の脅威としてゴジラに接する映画のだけども、このタイプが好み。

上記に挙げた点がどうしても引っかかったのだけども、それ以外は本当に良かったと思う。コリン・ステットソンの禍々しいサントラもあり、毒々しい色もあって良かった。ヤバいビジュアルを延々と浴びせられたい欲求に真面目に答えてくれる映画。