実際にあった汚職事件を元に作られた、犯罪サスペンス映画。
手持ちカメラのグラついた映像、時系列が入り乱れる物語構成、耳馴染みのない中国名…。
これらの要素が相まって、序盤は結構混乱させられるというか、なかなか話が頭に入って来ませんでした。
ただ、とにかくテンポ良く物語が進行していくので、この勢いに身を任せている内に、何となく話も理解出来て、最後まで見れた感じかな。
一応、殺人事件の捜査という大枠は用意されているのだけど、犯人を推理する様なミステリー要素は薄め。
それよりも、事件関係者の過去や関係性が主に描かれるので、どちらかと言うと、犯罪集団の成功と破滅を描いた、クライム・ムービーといった趣の強い作品でしたね。
舞台となる広州・香港・台湾の独特なロケーションを見るのも楽しかったし、ノワールな雰囲気も味わえて良かったです。
話を咀嚼する時間がないまま、すぐ次の話が展開されるので、見終えた時に印象に残るものが少ないのですが、一方で見ている間は、次から次へと新しい刺激が提示されるので、ダレる事なく、飽きずに見続ける事が出来ました。
もうちょっと緩急が欲しい気もしますが、これはこれで、この作品の個性だと思うべきなのかもしれません。