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白頭山大噴火のShinMakitaのレビュー・感想・評価

白頭山大噴火(2019年製作の映画)
2.0

北朝鮮が核廃絶に同意し、ICBMの処分のためアメリカが核輸送船を朝鮮半島に送ることになった日…

韓国陸軍爆発物処理班の大尉チョ・インチャンは、妻ジヨンの妊娠を機に除隊することになり、今日が最後の不発弾処理任務だ。午後、何事もなくのんびりと仕事を終わらせ、検診中のジヨンに合流するためソウル市内をクルマで走っていたインチャンは、突然の大地震で街があっという間に崩壊する姿を目撃し立ちすくむ。地震の原因は、北朝鮮と中国の国境付近にある白頭山の噴火であった。同じ頃、プリンストン大学地質学教授カン・ボンネは、アメリカへの帰国直前に韓国政府の緊急会議に召集された。白頭山はマグマが四層に分かれており、先程の地震はまだ一層のマグマ噴出に過ぎない。いずれ二層三層の噴出に次いで、最大の第四層マグマが吹き上がるはず。そうなれば北朝鮮も韓国も、どちらも壊滅は必至だ。この危機を回避する方法を問われたカン教授は、四層マグマの圧を逃すことを提案。白頭山地下の鉱山洞を核爆弾で爆破すれば成功する可能性は微かにあると話した。大統領はこの可能性に賭け、前代未聞の噴火阻止作戦にゴーサインを出す。それは、特殊部隊を北朝鮮に潜入させて破棄予定のICBMから核を盗み出し、鉱山洞で起爆させるという物だった。ICBMの場所は、韓国にカネで買われた北朝鮮武力省少佐リ・ジュンピョンが知っている。特殊部隊に編入させられたインチャンたちは、北朝鮮軍との交戦覚悟で北に潜入、ジュンピョンの身柄を確保しようとするのだが……


「白頭山大噴火」

以下、なぜ後頭部にネタバレがないのか?振り向かずに行け。


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これまで世界中で作られてきたディザスター映画。地震、大火事、竜巻、火山噴火、隕石落下…ネタは無数にありましたが、今回の韓国映画は「火山噴火」。俺世代だと「ボルケーノ」とか「ダンテズピーク」なんてのを思い出しますが、本作はそれらと一味違います。

この映画、ディザスター映画でありながらミリタリアクション映画でもあるというのが面白いところ。さらに言うと、信用ならない北朝鮮スパイを連れての移動なんか刑事ドラマによくある犯人護送モノの要素もありました。韓国大統領の賭けに気づいたアメリカ側が作戦妨害に動いたり、韓国の暴挙の証拠を掴んでアメリカを牽制しようと企む中国の思惑があったり、特殊部隊が幾重もの障害を乗り越えなくちゃならないという楽しさがありましたね。そんなアクション巨編なら、当然マ・ドンソク兄貴が大活躍かと思いきや、なんと今回マブリーはデスクワーク担当で、アクション皆無という意外性。新幹線の運転室に千葉真一を縛りつけておくのと同じくらいの勿体無さでした。でも持ち味のコミカルさと可愛さは全開。特にハンカチ貸すところ、劇場大爆笑でした。
ユーモアも必要以上に多く、たまたま部隊のリーダーになってしまった実戦不向きな主人公インチャンの頼りなさ(これも意外なハ・ジョンウ)も笑えるし、クールなジュンピョン(これはイメージどおりのイ・ビョンホン)との掛け合いもニヤニヤしながら見てしまいます。でも最後はやっぱり胸アツで泣かしにくるんだよね〜。俺は大満足の一本だったな。
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