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カサブランカのtackyのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
4.3
オスカーで作品賞、監督賞、脚色賞を取った、ボギーの代表作。
「君の瞳に乾杯」など、名台詞の宝庫。
雨に滲む別れの手紙、霧にむせぶラストシーンなど名シーンの連続。

特に時節柄、反ナチの描写が所々散りばめられていて、ドイツ兵たちが「ラインの守り」を歌っていると、主要キャストのラズロが、わざと「ラ・マルセイエーズ」を歌い始めて、やがて店中が大合唱になり、圧倒されてドイツ兵たちが歌うのを止めるシーンは、映画史に残る名シーンである。まだ戦争中の当時の枢軸国を除く、世界中の人達の想いがとても上手く表現されていて、素晴らしかった。

キャラでは、ボギーのカッコ良さは言うに及ばず、ルノー署長がとてもユニークで、ドイツ軍の犬のように振る舞っていて、人妻に色目を使うスケベ親父なのだが、実はレジスタンスのシンパだったという複雑な役で、ラストシーンのボギーと2人で霧の中を歩くところは、とても良かった。
バーグマンは確かに綺麗だが、二股言い訳女の役には、共感できなかった。(どうしてボギーがそこまで惚れるのか?最後まで謎だった。)

最後に、有名な台詞
「昨日は何処にいたの?」
「そんな昔の事は忘れた。」
「今日一緒にいてくれる?」
「そんな未来の事など、わからない。」
でボギーに振られたフランス人女性が、腹いせにドイツ士官と付き合うのだが、先述のシーンでドイツ士官そっちのけで、涙を流して「ラ・マンセイエーズ」を歌うところは、非常に感動した。
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