このレビューはネタバレを含みます
正直になんでも口にしてしまう16歳の少女クララと寡黙的で感情を抑えている42歳の医師アルドという歳の離れた2人のかけ合いは素晴らしく『レオン』を思い出した。その他にも食事、家の掃除や読書といったありふれた日常の描き方に楽しさを感じた。
そんな楽しい日常を送る彼らは、ナチス・ドイツによって多くの人が殺害されたハンガリーという政治背景、ホロコーストによって孤独になったという大きな欠落と恐怖を抱えていて、それらを生活する中で共有し、怯えながらも生きていく。
ラブストーリー的に描かれた、人の温もりによって孤独と戦い生きていく人々の姿に感動した。