本日2本め。ラトビアのからハンガリーへ。東ヨーロッパから中央ヨーロッパへ移動。
ナチスドイツに関わる映画は多いが、ハンガリー映画は初めてかも。
第二次世界大戦が終わった1948年のハンガリー。ホロコーストで家族を奪われた16歳の少女クララ。クララは叔母と2人で暮らし、家族は生きていると信じている。
あることで出会った42歳の医師アルドに、クララは父親を重ね、いっしょに暮らし始める。アルドもクララと同じようにホロコーストで妻と子どもを失い孤独であった。タイトル通り、残された人たちの物語。
とても静かにストーリーが進むが、その裏には党員の影が見え隠れする。その緊張感もある。ソ連の脅威も。
冷たい感じがしていたアルドもが、とても優しい。同じベッドに入っても、クララに毛布をかけて、アルドはクララに背中を向けて眠る。目覚めたクララは、となりにアルドがいないと不安になる。このシーンがとてもかわいい。
身近に何か大きな事件が起きるわけではない。この時代を生きたハンガリーのある人生。とても繊細な映画だった。
今よりも明るい未来を感じて、静かに気持ちがたかぶるアルドが印象的だった。