ヨウ

僕の好きな女の子のヨウのレビュー・感想・評価

僕の好きな女の子(2019年製作の映画)
3.6
内向的な主人公が好意を寄せる女の子。その子は彼の想いに気づかず無意識に彼を振り回す。彼女からの誘いで飲みに行ったり夜の公園を散歩したり。彼はそれがとても嬉しくて楽しそう。きっともし彼が犬だったら尻尾をぶんぶん振り回しているんだろうなぁ。
この映画は、そんな健気な主人公の優しさと繊細さが終始空回りしていて、胸が少し痛くなった。内向的男子'sの人たち(僕含め)なら、きっと彼に共感を覚えるだろう。悲しい時もとりあえず笑顔で誤魔化して、争いは嫌いで、相手の顔を窺いながらも、自分の芯にある考えは曲げられない男の子。きっと彼はそんな自分が嫌なんだけど、でも自己愛も強くて、現状が変化して自分が独りになることを恐れてる。
こんな関係がいつまでも続くとは考えていない。これ以上の進展もきっとない。だけど彼女と一緒に過ごすこの時間を大切にしたい。主人公がヒロインに自分の想いを打ち明けない心境を想像するととても切ない気持ちになると同時に、なんて女々しい男なんだという憤りも感じる。同族嫌悪というやつかもしれないが。
そんな具合に感情を揺さぶられた作品。渡辺大知さんも奈緒さんも役がハマっていて良かった。
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