広島カップ

大地震の広島カップのレビュー・感想・評価

大地震(1974年製作の映画)
3.5
公開時からずっと心に引っかかっている問題ですが、本作のタイトルはダイジシンと読むのか?オオジシンと読むのか?当時聞いていたNHK-FMの番組でDJの人が「これはオオジシンと読みます」と言っていたものですから。
このどうでも良い問題は私の他にも心に抱えている人がいらっしゃるのではないでしょうか?

映画会社の見解は知りませんが私はこれはダイが正解だと思います。
大を音読みのダイとすると仮に本作よりも規模の小さい地震を扱った作品がこの先登場するとして、中地震(チュウジシン)、小地震(ショウジシン)とすんなりと行きます。訓読みのオオとしてしまうとこの後はナカジシン、コジシンとなってしまい締まりが無くなってしまいます。
もっともこの先『中地震』『小地震』というタイトルの作品が製作されるかどうかは心許ないですけれど。
加えて地震(ジシン)も音読みだし敢えてオオジシンと湯垢読み調にしなくてもいいと思いますし...

(閑話休題)

ロサンゼルスを襲った巨大な地震に右往左往する人々の話。1970年代パニック映画のブームに乗って製作された本作は、降って沸いたとんでもない災厄に翻弄される人々を描いたパニック王道作品。

こうした作品にうってつけの俳優がチャールトン・ヘストン。
こうしたサイズが大きな作品には出演する俳優にも悲劇の大きさに対抗する身体の大きさが求められる。共演のジョージ・ケネディは勿論、他作品のジーン・ハックマンなどがピタリと嵌る。決してダスティン・ホフマンやアル・パチーノ、トム・クルーズ辺りには話しは来ないと思う。
また、災厄に見舞われる役柄として苦しみに耐える大袈裟な表情を作らなくてはらないがその点でもチャールトンは合っている。『ベン・ハー』における二輪戦車のレースシーンのように眉間に皺を寄せ歯を食いしばって力仕事をする役柄が実に似合っている。

CG全盛の現在からしたら崩壊したロスの風景のチープさは致し方無いけれども、パニック度と俳優の大きさに関してはまさに災厄映画ど真ん中の一本です。
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