このレビューはネタバレを含みます
本当にいい映画を見た
役所広司と中野大雅
2人の演技が光る
ヤクザの過去からほぼ刑務所の中で人生を過ごした三上正夫
彼が最後に犯した殺人？の刑期を終え出所し、社会に戻ってくる
が、戻ってきたところで簡単に社会には馴染めず
下の階の騒音へブチ切れたり、
スーパーで万引きを疑われたり
車の免許も簡単に取れない
目の前で恐喝してるチンピラも許せずブチギレる
真っ直ぐな故に
許せないものは「許せない」
間違ってるものは「間違ってる」
カラダ全身でそれを表現しているだけ
しかし世間は「関わらない」という
回避方法を取る人間がほとんど
作中でも自分の身を守るため、
逃げる事は悪い事ではない
というが、果たして本当にそうなのか？
と問い掛けられる
施設で子供達とサッカーを楽しみその純粋さに触れる
介護施設で障害者の子と出会い、花が好きだったり虫を見つけたらはしゃいだり
という彼の真っ直ぐな気持ちに触れる
三上もまた純粋が故に彼等と触れ合っていると心地良くて本来の自分になれる
しかし真っ直ぐ生きれば生きるほど
社会では弾き出されていく
そのジレンマが胸を締め付ける
最後障害者の彼をイジメる、真似してバカにする彼等と同調したことによって社会と同調したのだ
同時にあの正直で純粋な三上正夫は死んだ
これが「素晴らしき世界」
その空は広い
イカ胸熱シーン
免許を取りたい三上に六角精児が援助するシーン
施設でサッカーを楽しむシーン
お風呂で背中流すシーン
ラストのアパートに駆けつけたシーン
