しゅん

すばらしき世界のしゅんのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.7
人生は美しく難しい。
命は儚く尊い。

日本の再犯率は49%。
2人に1人が出所しても再犯者になる世の中。
しかも再犯者のうち72%は逮捕時に無職だそう。

1度社会のレールを外れた者には歳月や年月は関係なく、どんなに更正しようが社会からの制裁が加わる。
過去の罪の柵は永遠に付きまとう。
情報社会の世の中なら尚更だ。

空が広く青くこんなにも美しい景色とは裏腹に社会のレールから外れた者は社会のルールによってまた汚れていく。

人生の9割は辛いこととよく言うけど、人間もそうだと思う。9割は先入観から距離を取り、本気で親身になって寄り添ってくれるのは1割。
でもその1割に救われて人生続けていける。三上は実在の人物をベースにしているけど、三上みたいに生きてくことに必死な人は世の中にいっぱいいる。
助けることはなかなか出来ない。
けど普通に接することは出来る。

介護施設で花をもらうシーンはほんとに苦しい。なんでこんなに世の中って辛いんだと感じて自然に涙が出た。

重いテーマだが、何かが心に突き刺さる作品。
しゅん

しゅん