ぶりりん

すばらしき世界のぶりりんのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5
「ボテくりこかすぞ〜きさん!」地元民ならこのセリフで胸がザワつかない筈がない。
福岡県の中でも北九州や博多、筑豊、筑後で方言の響きはだいぶ違う。長崎は諫早出身の役所さん、同じ九州とはいえ地元の人間がかろうじて分かる微妙なイントネーションを完璧にマスターし、ネイティブな筑後弁にしか聞こえなかった。これがお話にぐっとリアリティを持たせ、こんな男が確かに居る、と観る者を納得させたと思う。

少し前に観た「罪の声」で星野源や小栗旬の関西弁が最後まで気になってしまったのと対照的だ。
市井の人間を扱うドラマならやっぱりバックグラウンドは大事だし、地方なら方言は肝だと思う。特にグリコ森永事件は、あの関西弁が強烈な印象として残っていたので、出来ればネイティブな俳優さんを使って欲しかった。物語が面白かっただけに残念な感じがした。

セリフだなぁと思わせない事が重要だとしたら、キムラ緑子さんの北九州弁は、セリフ感が強くて意外だった。
こういうのは芝居の上手い下手とはあまり関係ないのかもしれない。
あと仲野大賀さん?の嘆きっぷりはそれまでの雰囲気と違ってちょっと不自然な感じがした。
でもとってもいい映画だと思います。面白かったんで2回観に行ったし(^^)
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