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すばらしき世界のmincharosのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.2
いやーー悲しかったな。しんどかったな。

確かに私もすぐにカッとなる男性が苦手で、、、
カッとなって大声出す人がほんと苦手で、、、
それプラス過去の犯罪歴を知ってしまったら、その人に優しく出来るのか、自分・・・って思いながら。

だからこそ、役所広司演じる三上に優しく寄り添う周りの人たちが素晴らしいなーと思った。

ディレクターの津乃田(仲野太賀)の女先輩(長澤まさみ)が焼肉屋で三上に言う台詞がぐっと来たな~

社会のレールから外れた人が、今ほど生きづらい世の中ってないと思うんです
一度間違ったら死ねと言わんばかりの不寛容が蔓延って
だけどレールの上を歩いてる私たちも、ちっとも幸福なんて感じてないからはみ出た人を許せない
本当は思うことは三上さんと一緒なんです
でも排除されるのが怖いから、大きな声は出さないんです

ようやく介護という職に就けた三上。
でもそこでも障害者に対してひどい態度で接する職員の姿を目の当たりにした時に、抑えきれない衝動を感じるのをなんとか押し殺す。
ほんとうは正義を大きな声で主張したい、障害者を馬鹿にするなと拳を振り下ろしたい・・・
自分に優しくしてくれる人を思い出して、必死に我慢したのであろう。

台風の中、その障害者の青年がコスモスをくれる。
それを持ち帰り、嵐の中自転車でようやく家までたどり着いた。でも。
雨に吹きさらされた洗濯物。
一着の肌着だけが取り込まれず、三上が縫ったカーテンも雨ざらしになるシーン。

色々まだグルグルと考えさせられています。観てよかった。
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