役所さんは、過去に役所に勤めている頃、こういった人物を見たことがあるのだろうか。
主人公の三上正夫の人間としてのあらゆる面を、全てのシーンでしっかりと見せてくれた。これまで生きてきた人間としての様々な顔。ヤクザの中でも鉄砲玉で、まっすぐで優しくで、社会には適合しないけれど、その中でいろんな思いをもって必死に生きている男を、計り知れないほど細かく演じていた。実にすごい俳優である。
また仲野太賀さん演じるTVディレクターも、この三上正夫を愛しているという真剣な芝居に心打たれた。彼の立ち位置により、視聴者は三上正夫に対し、愛を持って応援することができた。それをわかって、後半から三上正夫への愛ゆえの行動を心に決め、しっかりと自分の役を動かしている。
勉強になる芝居の組み立てだった。
長澤まさみさんは、少しだけだったが、女性プロデューサーの色気と、男勝りな仕事への情熱と熱意を、スカートがめくれて見えてしまうのも役の行動として取り入れ、しっかりと役の立ち位置を少しのシーンだけでも見せていた。仕事の仕方を学べた。
