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プラットフォームのtakatoのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
4.3
「プラットホーム 世界のメタファー」


 町山さんの解説を聞いて久々に映画を見に来ましたが、想像以上の傑作に大満足!。現在の世界状況の縮図という寓話としても、濃ゆいキャラたちが織りなすエンタメとしても非常にバランスが良い。


 登場人物はイケメンも美女も全くなし!。更にこの設定の時点で明らかだがかなりエグい描写もある。しかし、ほんまに出てくるキャラが良い。こういう寓話というかゲーム感がある設定の作品ってたまにあるが、テーマ性ありき過ぎてエンタメにおいて重要なキャラの立ちっぷりや、それらの関係性を上手く構築するのが微妙だったりするが、本作はそこがしっかりしているから終始飽きずに熱中して見ることができた。


 詳しい内容はネタバレになるから書かないが、このシステムを打破するための作戦も「なるほど!」と唸らせられるものがあったし、それが現実世界におけるメタファーとしても意味深くて良し!。最後に象徴的なカットで切れ味鋭く終わるが、そのカットの美しさはそこまでの地獄めぐりがあったからこそ本当に胸を打つものがあった。


 「ん?これどういうこと?」って説明してない裏を考えさせる部分があったり、☓☓☓はモザイクでも手に持ったアレにモザイクは要らなくね?とかも思ったりしたが、遥かに面白さの方が上。それにしても、最前席で見たが超ドアップが多い作品だった…。


 SFでもハイSFとかより、昔のSF(少し不思議)的な寓話としての作品の方が好きな私としては大満足でした。主人公の持っていた物と、彼の風貌もちゃんと意味があるものになってるも偉いし、高尚なことやってますよ〜感な嫌味もない。マジにオススメですよこいつわ。
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