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シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たちのRIOのレビュー・感想・評価

3.7
同性愛者への差別発言により、世界大会出場権を剥奪された、競泳銀メダリストのマチアス。そんな彼に課された挽回のチャンスは、自由奔放なゲイ達からなる弱小水球チーム「シャイニーシュリンプス」を、3ヶ月後に控えるLGBTQ界最大のスポーツの祭典「ゲイゲームス」へ導くことだった。

週刊少年ジャンプの如き王道熱血スポ根のみの展開かなと思えば…。コメディ色は全開ながら、しっとりした雰囲気もありつつ、エモいロードムービー感も満載。ほのかな切なさと感動が胸に残る、笑あり涙ありな作品でした。
日本では「スクール☆ウォーズ」の印象が強すぎる「ヒーロー」の原曲がキー曲として使用され、こちらがスポ根感に拍車がかけていました。

海外ではLGBTQが権利を得ている分、一部の人からの風当たりは余計に強い気もする。そんな環境の中で、臆せず自分らしく生きる選択を一つでも出来ている時点で、流されて生きがちな私には彼らがすごく眩しく見えるのですが…。コミュニティの中で楽しそうに見えても、ただただ気楽わけはなく。彼らには彼らなりの葛藤があってみんな同じだよ、とフレッドがマチアスに諭すシーンがすごく印象的でした。

どこにいても目立つフレッドの美しさや、気弱な美少年風のヴァンサンが染まっていく様や、自信喪失気味の中年ジョエルの決める時は決める感じとか、キャラも立っていて楽しかったな。
月並みだけど、父娘の絆と、チームの絆にもグッときました。一晩寝ても、リズミカルな「シャイニーシュリンプ」の掛け声が頭の中で反芻しています。
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