Koshii

シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たちのKoshiiのレビュー・感想・評価

3.6
ミニシアター系の作品を観たくて、楽しみにしてたやつ!

ハッピーになれる映画なのは確かだけど、自分のストライクゾーンからは若干外れたみたいで、微妙な箇所もちらほら。


では、あらすじをさくっと!

元オリンピック選手であったマチアスは、同性愛者に対して、差別的な発言を呈してしまう。それにより、彼は選考会に出場するために「ある条件」が課せらることとなった。その条件とは、ゲイの弱小水球チームを勝利に導くこと。彼はコーチとして、この一癖も二癖もある水球チーム「シャイニー・シュリンプス」を引導することはできるのか!?

お人好しで、嫌なとこもあるけど、チャーミングな彼らの挑戦に元気をもらえる映画になっています!


以下、ネタバレや感想を含みます。













まず冒頭から引っかかったポイントなのだが、マチアスの娘があんなに「シャイニー・シュリンプス」や「ゲイゲームズ」にすぐに興味を持てたのか分からない。偏見の有無に関わらず、すんなり受け入れるのはやや不自然なような気がした。それゆえに彼女が、第三者の視点としてマチアス(偏見がある側)とゲイの彼らを橋渡しする役目を買っているだけに見えてしまった。

次に、シャイニー・シュリンプスのメンバーについても、彼らにまとまりがあるわけでもなく、競技に対する熱もあまり無いようにみえるのに、水球の試合に出たいという気持ちはどこから湧いているのか。そのエネルギー源がわからない。
「皆んなのLGBTQ +の意識を変えるため」。それが彼らの原動力なら、自分たちが一番LGBTQ +の存在を舐めているように感じた。
しかし、そのような差別しているという意識を過剰に持つということが差別であるということも事実である。

また、それぞれメンバーの悩みを描くことでシリアスさを演出し、感動方向へと繋がっていく訳なのだが、全員が全員、悩みを抱える必要は無かったように思える。その説明がやや冗長になっている節があり、お調子者の彼らの珍道中ムービーとしては、やり過ぎているように感じた。


そして、好きなシーンもいくつかあった。
セドリックがツアーバスでの珍道旅を、奥さんに嘘をついている都合上、会社に出勤している体にしなければならないのだが、その二つの環境をダブらせて事実を伝えるところが爽快だった。

さらに、ジャンの葬式でダンスを披露したシーンも好きだ。お葬式という物々しい雰囲気が尊重される場所で、フラッシュモブ的に踊り始めるシャイニー・シュリンプス。「なんと無礼な」と言うブラムこそ、非常識で無礼であり、彼の指示に背き、マチアスが「黙れ」と言う場面は気持ち良かった。
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