riccca

花束みたいな恋をしたのricccaのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0
坂元さんの使う言葉や、セリフの掛け合いが好きで(菅田将輝が好きなのもある。それも、とても大きい)公開2日目に観に行った。
序盤から坂元さんワールドが全開で、特に前半30分の勢いのある掛け合いが私にとっては気持ちよくて、それでいて切なくて、なんともいえない気持ちになった。
出会ったばかりの男女が、お互い好きなものが似てるなあと気づいてしまったら最後。ポンポン話が進んで止まらない、付き合う前の1番楽しいとされる男女のリアルなやりとりと、京王線沿線×大学生活の描写の身近さ、世代と位置情報がドンピシャすぎるのもあって、もうダメだった。胸が締め付けられた。1番楽しいいいシーンのはずなのに、ものすごく切ないのは何でだろう。それはきっと、その後の展開の想像がつくからなのかな。勢いがあって「今が楽しい」を超えた後の2人の行く末。花束ってそういうことかって、これ以上言ったらネタバレになってしまうので言わないけれど、ああそうだよね現実もそうだよねってなるのよね見てると。だからすごく苦しい。
でも私、もっと泣くかなと思ってハンカチ握り締めながら見てたのだけど、今回はほとんど泣かなかった、珍しく。このぼやあっとした気持ちはなんだったのか今でも分からない。「今が楽しい」の先に結婚ってあるんじゃないの?恋愛と結婚が別だったらどう恋愛をしたらいい?好きって何?って見ながら考えちゃったからかな。
1人で見て、見たあとは1人で余韻に浸って、後日誰かと語るのに最適な映画だと思います。なので見た人はぜひ、一報をください、語りましょう。
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