やまざきこうた

花束みたいな恋をしたのやまざきこうたのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

坂元さんだし有村架純だし菅田将暉だし、ずっと観たいと思っていた作品。
花束みたいな恋ってどういうこと?と思ってたけど、なるほど。そういうことか。

まず始まり方がいい。既に二人は別々の道を歩んでいる。この始まり方があるからこそ、序盤のきらきら具合が却って寂しさと切なさを増幅させる。
M大学に通っていた身としては、何度も終電逃したけど有村架純はいなかったなと思いつつ、
だからこそ夢物語のような前半のお話を客観的に観ることができました。

徐々に増していく生活感。二人の距離感が変わっていく。重なった部分が多かった二人だからこそ、すれ違う様が目立つ。海のシーンとか、不穏でしかなかったし、案の定の展開で胸が痛みました。

結婚してたらとか、子どもができていたらとか、そういう想像を含めて別れるところ。特にファミレスであの席の若者二人に若い自分たちを重ねたシーン、ララランドにちょっと似ていたかな。

物語以外の部分に触れると、キャスティングがめちゃくちゃよかった。二人の物語になっていた。
邦画でよくある近しい友達が変に出しゃばってこなかったところが👍

二人の年齢は自分より2〜3歳上。同年代。我々が親しんできたカルチャーや巻き起こっていた社会現象などもふんだんに織り込まれていたので、刺さるものが多かったのと、坂元さんどんだけ心が若者やねん!という気持ちになりました。

クライマックスにジョナサンの看板が見切れてるの、かなり好きです。リアルな恋愛はファミレスで始まったり終わったりしているんだよなぁ。

中盤はやめてくれえって感じの衝突を見せつけられたけど、終わり方があまりにも爽やかで、思わずもう一度観たいな、なんて。
でも、花束は包んだ瞬間、渡した瞬間、飾った瞬間がピーク。あとは枯れていくだけ。
でもあわよくば押し花にして、本に挟み、栞にして生きていきたい。そんな恋愛したいよね〜。おわり。
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