ニワカ映画好きの人

花束みたいな恋をしたのニワカ映画好きの人のレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.3
久しぶりに泣けた映画。
ぴったり気の合う2人に感じても完璧に同じって絶対に有り得ないんだな思った。始まりは穏やかな波でも、2人のある固有周期のとき波は突然大きくなりリズムを崩し出す。共振している2人はそれを修正しようとしてもできない。嫌味に2人の振動が止まった時に再びリズムがそろう。でもこのリズムは又いずれ崩れてしまう。
最後のファミレスの自分たちに似た男女の会話を聞いて涙するシーンで完全にやられてしまった。2人はきっと今の自分たちと過去の自分たち比べてしまったんだろう。懐かしく羨ましく感じたけど、同時に今の自分たちに再現できないこととまた同じ未来が見えたんだと思う。
心痛いながらに共感できるところが多くてさらに心痛くなった。いろいろな細部がリアルで色んな小説や映画のタイトルがでてきた。エンドロールの提供や協力がたくさんあって面白かった。
「我々のこれまでの道のりは美しかった。あと一歩だった」がすごく印象的。花束って茎がちょんぎられたお花ちゃんたちで、あげたりもらったりするものでしょ?花瓶に入れれば寿命は延びるかもしれないけど、根っこがないから終わりがある。突然渡す花束じゃなくて、土から作って種から大切に育てる1本のお花ちゃんの方がよく育つし、枯れることは無い。その過程が大事ってことなんだと思う。