ベルモット

花束みたいな恋をしたのベルモットのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
共感は全く出来なかったけど面白かった。
軽快でテンポの良い会話やウィットに富んだモノローグは全く飽きないし、エピソードが濃厚なので登場人物の感情に説得力がある。
本当に生きているみたいだ。
時間の経過を表すために象徴的な出来事や固有名詞を多く登場させていて、懐かしくなった。
ちょっとわざとらしいけど。
そして、こういう人生もいいなあ、と思えるくらいドラマがあった。
もっとこういう、だらしない学生生活を送りたかったよ、ほんと。

他人事だから全く泣けなかったけど、ニヤニヤはした。
「それは言っちゃだめだろ〜」「ほら、喧嘩になった」なんて、オジサンみたいなツッコミを入れたくなった。
オジサンと言えば、岩松了は本当に良い父親を演るなぁ。
ちょっとズレてて、可愛いようなうざったいような父親。
上映後、同じくニヤニヤ(というか、へらへら)しながら同行者と顔を見合わせる若者が多かった気がする。
劇場は、えも言われぬ感情で満ちていた。
私も、マスクの下でへらへらしながら劇場を出た。

パーは、グーを優しく包み込む。
素直に優しくなれた方の勝ちなんだ。
これは自論。

個人的には、天竺鼠の話題が思ったよりも早めに来てドキッとした。
結構重要な役割だった。
みんなが思ってるちょうど倍くらい重要だった。

それと『リトルモア vol.9』を読破したところだったので、エンドクレジットの孫家邦とかリトルモアとかフィルムメイカーズとかに興奮した。
あんな歴史があったんだって、知ったばかりだから。
思い出せなかったら『リトルモア vol.9』の最後の取材記事を読め、未来の自分。
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