ゲロを吐きそうなくらいの恋を観た(誉めてる)
運命の人と出逢い、そして完璧だった相性が時と共にズレていく物語。
学生時代の恋から大人になるまでを様々な実在したサブカル作品で埋め尽くして、同時代を生きた人々とのシンクロ率を高めて本当に存在するカップルのように思わせる演出に本気を感じた。
自分、芸術系大学出身なので2人の会話の楽しさや、男が夢を諦め始めることにより、女が残念な顔する瞬間がリアル過ぎて思い出しゲロをしそうになった。
観ていて切ないを通り越して、言い訳と謝罪の気分に浸りながら、大学生にタイムスリップした私は主人公達と共に何とか現代へと戻ってこれた。
あざといし、ナレーションがダサいし、回想シーンがズルいのだけど、それでも最後のファミレスは胸に来た。信号もズルい。
後で、過去の恋愛の思い出って自分でダサいナレーションつけて、あざといこと考えまくるよねって納得した。
何気にジェンダー問題なども匂わせてくるので、どうせなら社会問題をもう少し取り入れて良かった気もするが、恋愛と仕事に夢中の時って社会のこと気にしないよね、とも思った。
とにかく、実は中年に差し掛かった人ほど胸をえぐられるであろう恋愛映画の秀作。
全ての失恋した人々への元カレ元カノからのラブレターだと想えば、ゲロも収まって酸っぱい思い出も少しは甘くなるかもしれない。
これを観て貴方は誰を思い出しますか?
うえぇぇ…