花束みたいな恋をしたのちひろのネタバレレビュー・内容・結末

これほどまでに恋、だけを取り出した作品を知らない。違いをまざまざと見せつけられた。でも嫌らしい感じはひとつもなくて。むしろどんなに素敵なことか、楽しいものか、幸せに満ちたものか、わかる。カメラがふたりに近づきすぎることも、遠ざかりすぎることもなくて、その距離感が絶妙。だから作り手の考えを押し付けられるような嫌な感じがしないのかも。坂元さんならではの固有名詞の多さ。大好きな現実と劇の境目にずっといられた。ファミレス好きだなあ。二人暮らしあるあるとても多く共感。あれだけ意気投合してたのに、2人とも少しずつ、演技してる。自分もそうだな、と思う。はじまりはおわりのはじまり。海のシーンのちょっとしたざわめきがあとから効いてくる。自分の分身！って思った人、近くでみたら全然違うのよくわかる。ふたりは結ばれなかったかもしれないけど、一人ではないと知った。だから希望はある。世の中の創作物は、一人ではないということを知りたくて生み出されている。新海誠がいつのまにかポスト宮崎になっても。悲しみを超えてもなお、進む若者の背中を押す、雲のむこうと似ているなと思った。ふたりのラブストーリーに見せつつも、時代背景をきちんとくんでいる。就活、社会で生きること。自分の過去を思い出しているような。自由に考えて、委ねられているような。懐かしさもある。若いお二人完璧！ありがとうアミューズ！！！きらきらで眩しかった。おとなになっているふたりとの対比素晴らしい。