SUN

花束みたいな恋をしたのSUNのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.7
《2021年 劇場2本目》
ふり返り鑑賞記録。

こんなにも余韻を感じた映画ははじめてでした。特に同じ経験をしたわけでもありませんが、なぜか共感できてしまうし、この作品で描かれる幸せな時間は憧れさえ抱いてしまう。菅田将暉さん演じる麦と有村架純さん演じる絹がつくりあげる世界を見ていて体感してしまうほどでした。

不思議な感情ですが、改めてこの作品をきっかけとして自分にとってこんなにも思いを浸らせてくれる、その作品に引き込んでくれる「映画」のおもしろさに気づき、抜け出せなくなりました。

こんなにもキラキラした2人の役者さんがキラキラしない現実感のある恋愛映画をつくっている事が魅力的。そんな2人が織りなす会話はマンガ、演劇、ゲーム、音楽と、好きな事をただ純粋に語り合っている。数多く出てくる固有名詞もまたこの映画のおもしろさを増長させているようで、2人だけが共感できる趣味の世界で2人だけで楽しんでいる様子がとても良かったです。

そして麦と絹のそれぞれが抱く独特な感性がトーストの話やワールドカップのブラジル戦の話、じゃんけんの話などからこと細かく表れている。一見他愛もない事かもしれないし、変わっている事かもしれないけれどその繊細な描写も印象的です。
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