花束みたいな恋をしたのキウイのネタバレレビュー・内容・結末

坂元裕二さんの脚本は丁寧なところが好きなのですが、理屈っぽいというか、記号的なセリフが気になって世界に入り込みづらいと感じる時がある。『カルテット』でいうと唐揚げとレモンについて語り始めるような感じで、本作でも登場人物が突如何かをテーマに持論を展開するシーンがちょいちょいあるんだけど（イヤホンの使い方など）、人間てさほど親しくもない相手にこんなことをいきなりこんなタイミングで語り始めるか？と疑問に思ってそこでちょっと冷めてしまうんです。しかも言葉がすごく整理というか用意されてる感じで出てくるので余計に。そういう特徴を持ったキャラクター造形、というのならおそらく違和感はないと思うけど、「そこらへんによくいる人」として登場してる人たちが揃いも揃って綺麗に持論を展開するので変な感じがする。それが「坂元ワールド」なのかもしれないけど、方向性としてはリアリティを大切にしてるように思えるので、そことの齟齬もあって違和感の方が勝ってしまう。
そんな違和感のせいか、劇中の人々が綺麗なガラス箱の中に入って暮らしている様子を鑑賞しているかのように思えて、あまりリアリティを感じたり共感したりすることはできませんでした。