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花束みたいな恋をしたの708のネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっとスルーしてたし、今後もスルーするつもりでしたが、「片思い世界」をきっかけに観ることに。やっぱり坂元裕二の世界観が苦手でした。

悪くはないんです。でも、まっっったく心が揺さぶられませんでした。やっぱり自分は坂元裕二の台詞の言い回しが苦手なんだなぁ、と。再確認させられました。台詞の中に盛り込まれたディテールやアイテムのチョイスにあざとさや違和感、不自然さを感じて仕方ないんです。共感を呼ぼうとする魂胆が見え見えというか。特に麦と絹のモノローグが薄ら寒く感じること多々。松たか子主演「告白」みたいなナチュラルさがないんです。僕的には坂元裕二のワードセンスがノイズになってる感じです。だからまったく刺さらないんです。そういうノイズがなければ、「ちょっと思い出しただけ」みたいにグッと来たかもしれません。

学生から社会人になって生活のサイクルが変わり、どんどん気持ちや価値観がすれ違ってさよなら…というホントどこにでもある恋愛模様を、坂元裕二の世界観で美しく描くとこんな感じですよってことなんでしょうが、共感を押しつけられて強要されている気分になりました。

菅田将暉も有村架純も素晴らしかったですが、脇を固めるキャストがホント素晴らしかったです。特に終電を逃した男女を演じた小久保寿人と瀧内公美の隠したエロさが生々しくてリアル。いるよなぁ、そういう男も女もって。サウンドについて力説する岡部たかしも良かったし、あと、終わり間近で出てくる清原果耶も良かったです。

いくら麦と絹の行動が似ているからとは言えど、ラストで互いが今の恋人を連れて街をすれ違うのも、あまりにも作為的であからさまだなぁ、と。too muchです。
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