Punisher田中

フロッグのPunisher田中のレビュー・感想・評価

フロッグ(2019年製作の映画)
3.7
ある日、10歳と9歳の少年が立て続けに失踪するという事件が確認された。
現場にはかつて世間を騒がせた連続少年誘拐殺人事件と同じ緑色のナイフが残されているも、既に当時の犯人は逮捕されており、捜査は難航する一方。
同じくして、この事件を取り扱う刑事ハーパーの自宅では次々と不可解な出来事が起こり始めるのだった。
誰もいないのに閉まる扉、誰も触っていないはずのテレビは事件のニュースを流し始める。
一体、この街に、この家には何が潜んでいるのか....

久々のマインドファックムービー、これは脳味噌が最も良い感じになる土曜日午前中に見るべき作品の一つ。
いや〜、気持ち良く騙されたというか魅せられたというべきか....
予告もレビューも前情報を何も入れずに見るのがやっぱりベストなんだけども、TLでこのレビューを目にする方も少なからずいるだろうから、な〜るべく本編に関する情報を最小限に抑えて見所をレビューしていくわね...(フィルマだし劇場公開中というわけでも無いので、書かないという選択肢は無いです。悪しからず。)

サスペンス・スリラーというジャンル分けが成されているのもあって、全体的なムードはやっぱり暗めだが、エンタメとして吸収できるほどの丁度良い暗さ。
ストーリーの展開もかなり狭い領域で行われているけど、こんな狭い領域でかなり深く展開できているのも良かったし、何より魅せ方が上手い。
一点ピントを巧みに使った描き方で、これは心霊モノか?はたまた人為的な何かなのか?と曖昧なまま進行していきながらも段々と装いを新たにしていく構成は斬新で面白かったと思うし、マインドファックムービーというよりかはメタモルフォーゼムービーという印象を受けた。
普通の作品ならタネ明かしで終わる筈のさらに""先""が何よりも今作を傑作にしたと思うし、カメラワークが絶妙で非常に見やすい丁寧な作品だった。
今作監督の今後がますます楽しみだ。