予告篇から、困った子供を預かって四苦八苦するコメディかと思っていた。とんだ説教臭い話だった。作中の台詞にもそうあったけれど。
四苦八苦したのはわたしの方で、子役の子を観ながら自分の子育てを思い出し、兄妹の関係を観ながら兄弟だって他人と同じだと思い出し、とかく人間と付き合うのは面倒だと、そんなイヤーな感情をあらためて思い起こした次第です。そんなことが主題ではなかろうが。
ホアキン・フェニックスの職業はラジオジャーナリストとのことで、録音機を抱えて子供たちにインタヴューをするのだが、鬱陶しい物語よりもむしろ子供たちの受け答えが、ああ、もはやわたしの視点ではまかないきれないなという思いで観ていました。これらのシーンの言葉はまさか脚本に書かれたものではないと思うけれど。
ニューオーリンズは場所ではなくて、わたしがニューオーリンズだと、そう少女に言わせるニューオーリンズは素敵だなと思う。