COME

カモン カモンのCOMEのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.1
マイク・ミルズ監督の規範的ではない家族を「特異」として描くのではなく、ある一つの家族として
ありのまま自然に描いている作品を見ると、自分の家族もまたある一つなのだろうと
少し優しい気持ちにさせてくれる。
子供の頃母は絶対だった。しかし大人になり、絶対から遠く離れたところで母親を見ると
その距離の遠さに僕は絶望したし、憎悪も抱いた。
しかし、それと同時に僕自身を否定している気持ちにもなった。
今作品にも通じるものがある。
対話を避けてきた兄妹。そこに甥っ子のジェシーが否応なしに土足で踏み散らかしていく
避けることで綺麗にしていたのに。
だがそのおかげで今まで奥底にしまっていた大切なものを見つける。
それは埃だらけで、くすんでいて、でも兄妹にとっては大切なものだった。
はっきりとこうしなきゃとは思わないが、どこか動き出そうと思った作品だった。
個人的にはイヤホン推奨。全体的な音もだが、小さく遠く聞こえる鳥の鳴き声、生活音がとても心地よい
ホアキン・フェニックスがジョーカーの次にこの作品を撮ったというのだから、役の差に驚きを隠せない。
また、白黒にすることで感情の濃淡がダイレクトに伝わった。
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