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ミッドナイトスワンのnekosukiのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.0
タイトルの意味は開始早々に分かる。ショーパブのステージで踊る白鳥のコスチュームの彼等(彼女等)。それはどこか物悲しく人生の悲哀を背負う。

昔、取引先の男性諸氏に連れられて訪れた中州のショーパブで、今で言うオネェの人達に会った。屈託なく笑い合い女性目線でメイクの話で盛り上がったことを思い出す。

水割りを作る手付き、指の先まで神経が行き届いていたっけ。たぶん、店の名前は「ぽてと」だったと思う。
中州川端の再開発でとっくの昔に店はなくなっただろう。残念だけど。

「ミッドナイトスワン」の劇中で顔の骨格がハッキリしてギスギスした体型の草薙君がシナを作る度に違和感アリアリだったけど物語が進むにつれてそれも気にならなくなってくるから不思議だ。

トランスジェンダーの人達の環境が緩和されたからと言っても生き辛さはゼロにならない。もういい加減違いを受け入れようよ!

小学4年生の時の昼休みに私達女の子の集団に混じってくる男子がいた。仮にハギワラ君としよう。私達はハギワラ君を受け入れて一緒に遊んだけれど、男子の間では総スカンだったらしい。

私は特に仲良しで家にも遊びに行っていたがいつの間にか引っ越してしまい、卒業アルバムに写真もないので顔も思い出せない。

大作や話題作に混じって、今の時代を切り取ったような本作が賞取りレースに絡み真っ当に評価されて賞を取ったことが殊更嬉しい!

大袈裟だけど、日本も捨てたもんじゃないと思えた。
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