このレビューはネタバレを含みます
『異動辞令は音楽隊』以降の尻すぼみに評価の下がっている監督作品ばっかり観ていて、俺の中で「恵まれた設定から糞みたいな展開」「ヤバすぎて逆に映画館に観に行く」というメチャクチャなレッテルを貼られている内田英治監督。肝心の本作を観ないと貼れんわな。
これにて第44回日アカ作品賞コンプリート!(シリーズを観てないおかえり寅さんは保留)。
MVPを選べないくらい、俳優陣の真に迫る演技に魅了され胸を打つ良作だったが、それが逆に乱立する多彩な関係性のどれを追えばいいか迷子気味にさせられてしまう時がある。
編集の特異さもあり、悪い意味で予想を裏切られることが多く「あ、これは描かれないんだ…」となってしまう。
俳優陣ベストは服部樹咲。そしてメイク・ヘアスタイリングなど技術部門スタッフの仕事ぶりも素晴らしい。
最後まで凪沙のことを一果がどんな呼称でも呼ばない部分が良い。自傷行為が噛むというリアルさなど、細かい部分の演出は冴えていたものの、大きな感動シーンのベタさが少し鼻につく。ここら辺は近年の大作映画路線の演出を見るに内田監督が苦手とするところなんだろう。逆に裏路地っぽい暗い現実感あるシーンを持たせるのはめちゃくちゃ上手い。
イス直撃は中々なのにわ2回とも普通に殴ったくらいの騒がれ方なのなんなんだよ笑
モップの角でいくのはめちゃくちゃ血出るのに。
『誰よりもつよく抱きしめて』は『サイレント・ラブ』のニオイがするがどうか。
映像:=====B
脚本:======A
編集:===D
俳優:======A
人物:=====B
音楽:======A
音響:====C
【MVP】桜田一果