たく

天才ヴァイオリニストと消えた旋律のたくのレビュー・感想・評価

3.6
売らなきゃって考えた時の邦題が良くないことってある。

誰も、あの日の彼を咎められない。
戦争は多くの人の人生を蝕み腐敗させる。

彼が今、大切な人たちを大切にできているのであれば、
大切な人でさえ傷つけないと生きていられないあの時期よりは、良かった。

彼の手紙は短い言葉で強く鋭く伝える。
幼少期の頃から、全てが彼のアイデンティティを否定していたのだということも、関係値全てが恩の貸し借りの延長線だということも。ただ、彼は自分の最後の回答に救われたのだろうけれど、その為に多くの人が同じように傷ついてしまった。
映像は美しいが、案外、後味の悪い刹那的な映画。
たく

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