けーな

天才ヴァイオリニストと消えた旋律のけーなのレビュー・感想・評価

4.1
これは、かなり好きな映画だった。

ポーランド系ユダヤ人少年ドヴィドルの物語。バイオリンの才能を買われ、家族と離れ、ロンドンの家庭に預けられ、バイオリンの腕を磨いていたが、デビューコンサートの初日に、忽然と姿を消した。兄弟同然に暮らしていたマーティンが、彼を探し出し、事実を知らされる…。

もうちょっと上手く作れば、もっといい作品になったのにと思わなくもないけど、私は、こんな風に唐突に進んでいく、この展開も嫌いじゃない。

同じ音楽繋がりで、「海の上のピアニスト」を彷彿とさせるティム・ロスが、とても良かったし、最後、クライヴ・オーウェンの演奏シーンが、圧巻だった。実際には、ヴァイオリニストのレイ・チェンが演奏しているそうだ。

しかし、やっぱり邦題が、よろしくない。原題は、「The Song of Names」。恐らく『名前の歌』では、面白味に欠けるから、こういう邦題にしたのだろうけど、テーマからズレた説明調のタイトルは、ほんとやめてほしい。『名前の歌』こそが、この映画の肝なので、もっと生かしたタイトルにすべきだと思う。せめて「鎮魂歌」とか、そんなタイトルにすべきじゃないだろうか。
けーな

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