真実と嘘。
善と悪。
自分の中にある相反する2つを天秤に掛け、自分の信じる"正しさ"を問い続ける。
凄かった…!
画面に映していない部分での人間性の広がりと深さがとてつもなくて、演出・演技・脚本、どれをとっても厚みと気迫が凄まじい…!
間違いなく今年のベストに入る傑作です…!
ドキュメンタリー監督を描いたフィクションだけれど、メインキャストの4人が凄すぎてフィクションだってこと何度も忘れました。
みんながみんな物語のために作られた人ではなく、そこで生活して生きている実体感がすごくて、
映画として画面で映される以前の生活まで感じられるくらい、一人ひとりの人間としての厚みがすごかったです…!
特にびっくりしたのが、なんの描写もなく、"萌、絵上手いもんね"の一言だけで違和感なく二人の関係性を見せたこと。
演技だけではなくて、それぞれの家の描写からも、その人の置かれた状況を量ることができますし、会話からもこれまでの関係性や経験がありありと感じ取れてほんとすごかったな〜!
口では全然語らないのに伝わってくるものが多すぎます…!
レビュー書いていて気づいたのですが、"正しさ"の明確な対義語ってないのですね。
"正しさ"がそもそも個人に依る所の大きい曖昧な概念で絶対的な基準がないから、その対義語も存在しないのでしょうか。
カメラの起動音からのエンドロールの環境音の演出が素晴らしすぎて、見た人全員があの場で正しさについて考えたことでしょうし、
そこで想像した由宇子の言葉が、その人にとっての"正しさ"。
エンドロールに何を思ったか、色々な人に聞いてみたいです。