「正しい」とは何か?
長丁場でワンカットが長くてBGMや効果音もなし。長回しには必ず意味があるんだろうとかなり集中していた。この映画が語るものはなんだろう?そんなことを考えながら観ていた。
由宇子の正義は天秤にかけられ、いつも都合よく選択される。いい人かなと思いつつ、ちゃんと裏も腹黒さもある。真実を求めるために真摯に向き合っているようにみえて、そっと胸の内に入り込む。よく考えたら恐ろしさも兼ね備える。冷ややかな感情が湧いていた。
メイとの出会い。不謹慎な関係。転調からのメイへの感情の変化。これも美化したいが腹黒くもみえるから上手い。
特に頭を撫でるシーンが悍ましくて図々しくて恐怖でしかなかった。由宇子はなにをしたかったのか?
いつのまにか芽生えたメイを守ろうと思う気持ちに嘘はなかったはず。だけどその感情は諸刃の剣のごとく、真実を疑い、問い詰める😖
真実を知って正義を歪める。
まるでドキュメンタリー映画のようだった。全てが真実でその人にとっての正義で保身で生々しい惨めな姿だった。
メイの父親もうまく描かれていて、無力な彼を思って泣けてきました。
ラストにはガツンとやられました。
終始、由宇子のことを信じられなかった私は汚れた心なのでしょうか。偽善から生まれる情を信じたいと思う気持ちもありました。小さい嘘や裏切りに疲れて正義や真実を語ることをやめたからでしょうか。。。最後までドキュメンタリー監督であり続けたからでしょうか。
これも後から後から感情が湧いてくる良作でした🎬