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由宇子の天秤のdarumaのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
5.0
ずっと観たかった作品、ようやくWOWOWで鑑賞…凄かった!家で観てるのに全く気が散る事無く、食い入る様に観てしまい、終始目が離せなかった。最初152分という長さに慄いたが、全く感じさせない作り。これは間違いなく瀧内公美さんの代表作ですね。(ちなみに個人的にこれまでのベストは「彼女の人生は間違いじゃない」です。それで好きになった)

何が凄いって、とにかくストーリーの組み立てが凄い…
完璧に整ったメタ構造である事と、
最後の最後まで、どう転ぶのかわからない。
物凄く社会派なんだけど、そういう意味ではエンタメ性も非常に高い。

とにかく瀧内公美さんがめっちゃくちゃ合ってました!
私の知り得る女優さんの中で、本作に合うのは彼女しかいない。
それぐらいハマリ役。
強と弱、緩急の使い分けが半端ない。
しかも全く嫌味にならない。
強い所は凛々しく、優しい。そして弱い所はしたたか。

河合優実ちゃんが最初、「あれ?そうだよね…?」
なんか全然今までの印象と違った。
物凄く難しい役だと思うけど、めっちゃサラッと演じててこれまた凄いと思った。

もともとは瀧内さんと光石研さんを観たかったのですが、
光石さんは割と客演感はあるかも…
めちゃくちゃ重要な役ですが、出番は思ったよりも少なかったです。

でも!!
代わりに(といってはあれだが)、川瀬陽太さんが凄かった…!
のっけから川瀬さん。
ほぼ川瀬さん。は言い過ぎだけど、彼も超重要な脇役。
めちゃくちゃいい人に見えますが…(いや、いい人です。ていうかこれがいわゆる普通の人だと思う)

ほか、岬の兄妹コンビの松浦祐也さん(好き!)と和田光沙さん。
この二人もそういえば事前に知ってた!と観始めて思ったんですが、密かに和田さんはエンドロール見るまで、どの役かわかってなかった…松浦さんはすぐわかったんだけど。
あと、エンドロールで前原滉くん!(おそらく声だけ)

なんていうか、この作品を一言で表すと

「嫌ミス」

完全に良い人が誰も居ない。
かといって、完全に悪い人も居ない。

それって、
物凄く、リアルだと思いませんか…?

人間の良い所と悪い所が見事に出てた。

最後の行動、私が思った事をコメント欄に書きますね。
(合ってるかな…?)

ちょうどこの年、ドライブ・マイ・カーと本作が年間の見逃し(地理的に上映館が遠く鑑賞できなかった)でベスト10に入れる事が出来なかったんですが、まさに!!これを「見逃し」としてランキングに入れた自分に拍手したい(違)
どちらも配給がビターズ・エンド。
個人的にここの作品は間違いなしです。

これは観放題になってないけど、お金払っても観たほうがいい作品。
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