Nana

ぶあいそうな手紙のNanaのレビュー・感想・評価

ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)
3.2
ブラジルのかっこいい爺さんのドラマ。個人的にあまり好きじゃないけど、南米の良さと悪さが出ていた。

ブラジルの海辺の街(最後の方で出てくる海岸がハバナのマレコン通りに似ていた)に住むエルネストは、妻を亡くしてひとり暮らし。元カメラマンで本が大好きだが、ほとんど目が見えなくなっている。サンパウロに住む息子は同居を申し出るが聞き入れない。毎日隣のハビエルと健康診断の数値を競い合ったりするような冴えない日々。
そんなある日、エルネストの出身地ウルグアイから手紙が届く。古い友人の妻ルシアからの手紙は、夫の死の知らせだった。
手紙が読めないエルネストは、偶然知り合った若い女性ビアに手紙の朗読と、返事の代筆を頼むことに・・・

好きなところは、ラテン親父のかっこよさ。暗唱できる詩があったり音楽に造形が深かったり、年金暮らしだけど女性におごろうとしたり。。。毎回食卓に出る素敵なワイングラスで飲む赤ワインもおいしそうでした。

でも、手癖の悪いビアが最後までどうしても好きになれなかった。ビア彼を銃で追い払うシーンがあるけど、そういう国で、年金暮らしの爺さんのアパートに忍び込んでお金盗むような女は、何をしても私は好きになれず。
私は心配してくれてクビにされた女性や銀行の窓口の人と同じ感覚だな。

言いたいことはわかる。
手紙を通じてエルネストの人生が再び輝き出したこと。それを手伝ったビアは泥棒だけど、反省したから許されるよって、キリスト教的な考え方なのかな。
ビアも元彼もそこそこのワルで、結局殺されたり身ぐるみはがれたりしなかったから、いいお話になったかもしれないけど、変なとこでモヤっとしながら見てたので、あまり楽しめませんでした。
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